虫歯治療や歯周病治療、入れ歯の作製、クリーニングなど、歯科医院で受ける通常の治療を一般歯科といいます。
近年、審美歯科、矯正歯科、口腔外科などの専門的な歯科治療が浸透しているため、これらと区別する意味もあります。
一般歯科治療の多くが保険診療で行われるので、保険診療=一般歯科という考え方もありますが、同じ治療内容でも使用する材料などによっては自費診療になる場合もあります。
虫歯とは、口の中にいる菌が糖から酸を産生し、それによって歯質が溶かされる病気です。
エナメル質(歯の表面)が白く濁る程度なら歯磨きなどで治りますが、象牙質(エナメル質の下の組織)まで進行して黒くなった虫歯は、歯磨きでは治りません。
虫歯が歯髄(神経と血管の束)まで進行してしまうと、抜髄(歯髄の除去)をする必要があるので完治まで時間を要し、抜髄した歯自体ももろくなってしまいます。
歯がズキズキと痛む場合は虫歯が歯髄まで達していることが多いので、早めに治療を受けましょう。
虫歯の進行は、大きく6段階に分けられ、虫歯を指す専門用語『カリエス』(Caries)の頭文字『C』で表記します。
進行の段階によって治療内容が変わるので、確認しておきましょう。
C0(初期症状)
エナメル質の表面が白く濁った状態、または溝が茶色になった状態で、見た目ではほとんど虫歯とはわかりません。 再石灰化(溶け出したカルシウムが再び歯の表面に戻ろうとする作用)で回復するので、しっかりと歯磨きをして進行を防ぎましょう。
C1(中期症状)
エナメル質内に菌が入って穴が空いた状態で、再石灰化はほとんど期待できません。
この段階では痛みを伴わないので、自覚症状はほとんどありません。
C2(後期症状)
象牙質まで菌が入った状態で、 象牙質の中で大きく広がり、冷たいものなどがしみるようになります。
温かいものや甘いものがしみるようになると、抜髄する可能性が高くなります。
C3(後期症状が進行した状態)
歯髄まで菌が入った状態で、炎症を起こして激し痛みます。
熱いものなどがしみるようになり、ズキズキと痛みます。
C4(末期症状)
歯の根だけが残った状態です。
神経が死んでしまっているので痛みはありませんが、放置すると、根の先から歯根膜(歯根と歯槽骨を繋いでいる繊維性の組織)に炎症が起こり、硬いものを噛むと痛みや違和感を覚えます。
根尖病巣(神経が死んでしまった状態)
歯の根だけが残った状態です。
神経が死んでしまっているので痛みはありませんが、放置すると、根の先から歯根膜(歯根と歯槽骨を繋いでいる繊維性の組織)に炎症が起こり、硬いものを噛むと痛みや違和感を覚えます。
エナメル質の虫歯(C1程度)
歯と同じ色調のコンポジットレジンというプラスチックを詰める治療をします。
治療は1回で済みます。
象牙質の虫歯(C2程度)
型を取り、部分的に詰め物で補う治療をします。
型を取った後、詰め物が完成するまで時間がかかるので、治療回数は2回くらいです。
歯髄炎(C3程度)
虫歯が歯髄まで達した場合は抜髄し、土台を入れ、最終的に全体を被せ物で補います。
治療終了まで時間がかかります。
自分では気づかないような小さな虫歯の早期発見・早期治療につながり、時間や料金がかかることなく回復することができます。